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プリント基板から見たプリント基板のための用語集について

用語集インデックス

   
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プリント基板から見たプリント基板のための用語集(あ)

  • アーク放電
     熱電子による放出を主とした放電のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     プリント配線板の露光によく使われていた水銀アークランプはアーク放電の原理を利用している。現在はランニングコストを抑えられるLEDランプが主流。
    英語表記 :Arc discharge

  • アートワーク
     基板設計全般のことを指す。回路設計者の意図を汲み取り、二次元の回路図データ・ネットリストの情報を三次元の基板外形の中に投影させる作業
     ◆もっとくわしく◆
     回路的には完璧でもアートワーク次第で、頻繁に誤動作する基板、何とか動作するレベルの基板、理論・知識に裏付けされた良い(色々な意味で)基板となる。
    当社では、当然【良い】基板設計のため、日々精進している。
    英語表記 :Artwork

  • アートワークマスタ
     製造工場でフイルムを作製する際の原図。
    英語表記 :Artwork master

  • アキシャル部品
     プリント基板に実装される部品の体系一つで、筒状の形をした部品であり、片方の面からリードが2本出ているもの。
     ◆もっとくわしく◆
     例えば、抵抗やダイオードのアキシャル部品が存在する。1方向から2本のリードではなく、2方向の側面からリードがでているものをラジアル部品と言う。
    英語表記 :Axial parts

  • アクセプタ
     p型半導体を作成するため、真性半導体に混ぜる不純物のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     インジウム(In)・ホウ素(B)・ガリウム(Ga)などがアクセプタの代表格である。シリコンなどの半導体はそのままで電子部品とするわけではなく、アクセプタなどを作ってp型半導体を形成した上で、ダイオードやトランジスタとして生成されることが多い。

  • アクセラレーティング
     プリント基板を製造する無電解銅めっき工程の一つである。
     ◆もっとくわしく◆
     基板をアクセラレータという液につけこみ、キャタライジング工程で付与したパラジウム触媒からスズの化合物を処理すること。
    英語表記 :Accelerating

  • アコーディオン配線
     ミアンダ配線を参照。
    英語表記 :Accordion wiring

  • アスキーファイル
     内容が判読可能なテキスト形式のファイルのこと。
     ◆もっとくわしく◆
     通常はファイルを開いただけでは判読不能なバイナリーデータであるCADデータ(設計データ)を他社製CADデータへ変換する場合にアスキーファイルにて出力(アスキー変換)してから形式変換を行う。ガーバーもバイナリデータの場合がある。
    英語表記 :ASCII file

  • アスキー変換
     バイナリーデータをアスキーファイルに変換すること。
     ◆もっとくわしく◆
     詳細はアスキーファイルを参照。
    英語表記 :ASCII conversion

  • アスペクトレシオ
     穴径に対する板厚の比率。
     ◆もっとくわしく◆
     穴が小さければ小さいほど、また板厚が厚ければ厚いほど値は大きくなり、穴に対してのめっきの難易度の基準になる。

  • 圧延法
     金属を回転するロールの間に入れて引き延ばして製造する方法。
     ◆もっとくわしく◆
     プリント配線板の基材である銅張積層板の銅箔を生成する際に電解法と並んで使われることのある方法。電解銅に比べて、一度に作業できる大きさに制限ができるが伸張性の高い銅箔ができる。
    英語表記 :Rolling method

  • アディティブ法
     プリント基板のパターンを作成する上でのめっき形成方法の一つで、絶縁体表面にパターンを作成するプロセスのこと。
     ◆もっとくわしく◆
     無電解銅めっきのみで導体パターンを形成するフルアディティブ法と、無電解銅めっきで導通したパターンに電解銅めっきをかけるセミアディティブ法に大別される。アディティブ法に対して、表面に銅箔のある絶縁基材の不必要な部分を溶かしてパターンを形成する方法をサブトラクティブ法と言う。現在の主流はサブトラクティブ法である。アディティブ法は精度は高い側面もあるが、時間がかかり、専用設備を必要とする。
    英語表記 :Additive method

  • 穴径
     プリント基板上にある基板固定穴、層間を接続するVIA、部品実装するためのリード穴の直径の事だが、基板設計での穴径とは仕上がり径のことを指す。
     ◆もっとくわしく◆
     スルーホールの場合、めっき処理前の穴を下穴といい、仕上がり径よりもφ0.05mm大きなドリルにて穴あけ加工する。その穴にめっき処理を施し、完成したスルーホールの穴径を仕上がり径という。小径0.3mmφ程度の穴だと、0.5mm程度の穴より、NCの重ね枚数が少なり、一度に空けることができる穴の数が少なくなるので、コストアップの要因となる。さらに、小径の方が1穴開ける時間が長くかかることから、時間の観点でもコストアップとなる。1穴当たりの単価の相場については、日本では1穴あたり約0.1円に対して中国で製造する場合は0.01円であり、単価として約10倍の開きがあるが、これは、ドリルが安い、NCマシンが安い、人件費が安い、補材が安い、稼働率が高いなどの要因によるものである。
    ちなみに、設計では仕上がり寸法で設計する。
    穴径公差は±0.1が標準であり、それ未満の指示の場合は注意が必要である。


    英語表記 :Hole diameter

  • 穴数
     プリント基板に空ける単位当たりのスルーホールの数の事。
     ◆もっとくわしく◆
     穴数は、基板の種類によって大きく異なるが、あえて標準的な数を出すとすると30000/m~50000/m程度の数が多い。かなり数が多いものであれば100000/mを超えてくるものもあり、逆に少ないものであれば10000/m程度のものも存在する。層数によっても傾向があり、通常2層では、30000から40000、4層であれば30000から60000、6層、8層10層辺りは、60000から80000程度が一般的な水準となる。穴は消耗品であるドリルを利用して空けることが多く、加工に時間もかかることから、基本的には穴数が増えるとプリント基板の価格は上昇する。ドリルは一本当たりの価格と空けられる穴の数が決まっており、設備の利用時間も明確に測定できることから、厳密に費用化するのであれば1穴当たりの価格を決めることも可能である。1穴当たりの単価の相場については、日本では1穴約0.1円、中国では0.01円と約10倍の開きがあるが、これは、ドリルが安い、NCマシンが安い、人件費が安い、補材が安い、稼働率が高いなどの要因によるものである。

  • 穴径図
     穴図を参照。
    英語表記 :Hole diameter drawing

  • 穴図
     プリント基板上にある穴の位置と大きさが分かる図面。
     ◆もっとくわしく◆
     プリント基板には複数の穴があけられるので、穴は記号や番号で描かれそれに対して別表にそれぞれの穴径やメッキのありなしなどを指示する。穴図は穴サイズ、Tコード、穴種別、個数の確認に必要不可欠な図面である。特殊な穴形状は穴図にて指示することが重要である。


    英語表記 :Hole drawing

  • 穴断
     穴断線を参照。

  • 穴断線
     スルーホールが導通していない状態の不良。
     ◆もっとくわしく◆
     AOIやAVIでも発見が比較的難しく、重度の不良である。通常プリント基板の製造工程においては、電気チェックを行うので製造時に完全に断線していれば発見は可能だが、めっきが不十分な状態であると、信号線による電気チェックは通すが実際に大きな電流を通すと断線してしまうものもある。要因としては、エアボイドやテント破れ・過剰なソフトエッチングなどがあり、発生を防ぐためには主な発生要因が生まれていないかチェックすることが未然防止処置として重要である。

  • アニュラーリング
     アニュラリングを参照。
    英語表記 :Annular ring

  • アニュラリング
     スルーホール加工する穴周囲の銅箔の幅のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     所謂、ランド幅のこと。
    穴径に対して片側 0.15mm以上のアニュラリングが望ましく、小さすぎると銅箔ずれの為、スルーホール形成が困難となる。現在、一部の基板製造工場ではランドレススルーホールの製造ができるようになっており、アニュラリングがゼロでもスルーホール形成が可能となった。ランドレススルーホールは、BGA搭載基板の設計時に非常に有効である。
    英語表記 :Annular ring

  • アノード
     プリント基板を電気めっき処理をする上での陽極のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     これに対して陰極はカソードという。また、半導体でのアノードはP形半導体からの端子のことで、N形半導体からの端子をカソードという。アノードからカソード方向の電流のみを通して、その逆はほぼ通さないという性質がある。
    英語表記 :Anode

  • アパーチャ
     ガーバーデータ内において、出力された時のパラメータファイルに記載された形状。
     ◆もっとくわしく◆
     プリント基板製造工程において、銅箔・レジスト開口・シルク印刷などに必要なフィルムを作成するが、その作成において、露光時に各形状にあわせレンズの口径を変える必要がある。アパーチャは、そのレンズの口径形状(●・■など)や大きさを示している。
    尚、ガーバーデータでは、露光サイズをアパーチャで表現せず、各アパーチャに対してDコード番号を割り付け、Dコードにて命令する記述で構成されており、そのDコードに対してどのアパーチャを割り付けたかを示す表を「アパーチャー表」「アパーチャーリスト」という。但し拡張ガーバー(RS274X)の記述には、上記の割り付けが含まれている。
    英語表記 :Aperture

  • アパーチャー
     アパーチャを参照のこと。
    英語表記 :Aperture

  • アパーチャー表
     アパーチャ表を参照。
    英語表記 :Aperture table

  • アパーチャ表
     ガーバーデータにおいて、Dコードという番号を割り付けして、それを出力パラメータやDコード表といった別ファイルについて、Dコードに対する形状を記載し、フィルム作画の際に数値を割り当てた表のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     アパーチャには形状やサイズが複数あり、100~200あるアパーチャをアパーチャリストで一覧にしている。
    英語表記 :Aperture table

  • アパーチャリスト
     アパーチャ表を参照。
    英語表記 :Aperture list

  • アミノ基
     NH2 で表わされる1価の基。
     ◆もっとくわしく◆
     基材の材料であるエポキシ樹脂を硬化させる時にアミン系の硬化剤を利用することがあるが、このアミン系硬化剤には末端にアミノ基を持っている者を利用することが多い。
    英語表記 :Amino group

  • アルカリエッチャント
     アンモリアによるアルカリ性のエッチング液のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     アンモニアは銅のエッチング効率が高く、最近増えてきたエッチング液、フィルムが不要になるため、イニシャル費用がかからない。小ロット生産に使われることが多い。
    英語表記 :Alkaline etchant

  • アルキルイミダゾール
     プリント基板の表面処理で利用するOSPの主な成分。
     ◆もっとくわしく◆
     処理の際にはアルキルイミダゾールの液に浸ける。アルキルイミダゾールは銅とくっつく性質があり、浸けることで表面がコーティングされる。アルキルイミダゾールは150℃程度でなくなる性質があり、はんだ処理の際に消失する。人間に対しての毒性はそれほど高くないが、特に魚類にとっては猛毒である。廃液に混ざると魚が大量死するなど生態系に大きな影響を及ぼすため注意が必要である。

  • アルデヒド基
     カルボニル基に1個の水素原子が結合した基-CHO。
     ◆もっとくわしく◆
     フォルムアルデヒド、いわゆるフォルマリン(HCHO)が、FR1の材料であるフェノール樹脂の生成の過程で使われることがある。
    英語表記 :Aldehyde group

  • アルミ基板
     基板でLEDが多数実装される場合に、放熱効果が高く耐久性のあるアルミ素材で作った基板のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     面付けして製造する場合、通常のリジット基板とは異なる仕様のため、注意が必要である。アルミ材は放熱が必要となる基板において利用されることが多い。FR-4材と比べて反りにくい素材である。
    英語表記 :Aluminum PCB

  • アルミナ基板
     アルミナ基材にパターンを形成して製造するセラミックス基板の一種。
     ◆もっとくわしく◆
     酸化アルミニウムと粘結材をよく混ぜてグリーンシートを作成し、これを焼結することで完成される。基板化するときは導電性ペーストを印刷したうえで焼成し、パターンはタングステン等で作成する。高価な基板だが、高温・高湿下での高信頼性、高周波特性や熱伝導率に優れるため、主にUHF、SHF帯のパワー回路に利用されることが多い。
    英語表記 :Alumina PCB

  • アンカー効果
     接着剤を使って接着するときに、接着されるものの表面にある細かな凹凸に接着剤が入り込んで動かくなり硬化することで接着力が大幅に上昇する効果のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     船の碇(アンカー)状のものが食い込むように接着するイメージからその名前がついた。プリント基板の製造工程においては、樹脂の上に直接めっきをする際(セミアディティブ法等)で接着強度を強くしたい時に利用する。但し、高周波信号を流す場合には電流が表面に集中する(表皮効果)ため、銅箔の表面が荒いことによって高速処理に問題が出ることもあり、ロープロファイルの銅箔も開発されている。アンカー効果は別名ファスナー効果とも言う。
    英語表記 :Anchoring effect

  • アンダーカットドリル
     プリント基板の穴あけ成形加工で利用するドリルで、成形品を金型から外すときに、型側の方向のみでは離型できない形状のドリルのこと。
    英語表記 :Undercut drill

  • アンダーシュート
     矩形波の立ち下がり部分において、波形が定常値となる基線を超過して下回る、または、それによって下に突出した波形の部分のこと。


    英語表記 :Undershoot

  • アンテナ設計
     パターンアンテナを参照。


    英語表記 :Antenna design

  • アンテナ配線
     特に高周波の信号において、配線が行きっぱなしで終わっていたりベタの形状が尖っていたり終端でどこにも接続されていない場合など、その先端からノイズを出したり拾ったりする形状の配線のこと。
     ◆もっとくわしく◆
     高周波のプリント配線板では特に、アンテナにならないような設計が望ましい。基板をGNDベタで埋めるなどの場合、意図せずアンテナになってしまう事があるので、十分注意が必要である。
    英語表記 :Antenna wiring

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